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ベデの女(ベデニ)

ベデの女(ベデニ) 解題

 

今回からタラションコル・ボンドパッダエ(1898-1971)の短篇を数編連載いたします。タラションコル、および彼の作品の背景については、『船頭タリニ』に詳しく解説しました。参照していただけると幸いです。

 

ベデの女(ベデニ)」は、文学誌『土曜日の手紙』(ベンガル暦1346年カルティク月号、西暦193910月出版)に掲載されました。タラションコル円熟期の作品で、他の多くの作品と同様、インド西ベンガル州西部の辺境地帯、ビルブム県の厳しい自然の中を生きる、最下層の人びとの生活を題材にしています。「ベデ」はジャーティ(出自集団)のひとつ。その生活や信仰については作品の中に詳述されています。「ポトゥア(絵巻物師)」とともに、イスラーム教信者でありながらヒンドゥー教の習俗を守る集団です。

作品の舞台となる縁日が開かれるコンカリトラは、ビッショバロティ大学(タゴール国際大学)があるシャンティニケトンの北東4キロほどに位置します。性力派(シャークタ)の名高い聖地のひとつで、シヴァ神がその妻パールヴァティー女神の死骸を持って踊り狂った時、その腰の骨(コンカル)が落ちた場所とされています。毎年チョイトロ月の晦日(4月半ば)に盛大な祭祀が行われ、多くの山羊が生贄に付されます。

 

ところで、この小説は、こうしたベデの生活を背景にしたリアリスティックな恋愛譚であると同時に、その背後には神話に基づく象徴的な枠組みが存在します。

女主人公の名前ラディカは「ラーダー」の尊称、新来の奇術師の名前キシュトは「クリシュナ」の方言口語形。ベンガル地方に広くいきわたる信愛派(バイシュナヴァ)信仰、ゴークラ村に牛飼いとして住むクリシュナ神と人妻ラーダーの間の愛の神話が、背景にあります。

また、ラディカの最初の夫の名はシボポド(「シヴァ神の御足」の意)、出奔した相手はションブ(シヴァ神の異名)。前者はシヴァ神に倣った模範的な夫、後者はシヴァ神の無法者としての側面を体現しています。シヴァ神の妻はドゥルガー女神(別名ウマーないしパールヴァティー、連載2回目の「快復」解題参照)で、ラーダーとは正反対の貞淑で模範的な主婦です。

従って、物語の結末は、こうした神話的骨格の中に予め用意されていると言えます。

 

ここで、小説の中に言及されている、代表的なヒンドゥーの神々の名前について、まとめておきましょう。(以下の名前はベンガル語読みに従い、括弧内はサンスクリット語読みに従います。)

男の神々:シブ(シヴァ)、ションブ(シャンブ、シヴァ神の異名)、クリシュノ(クリシュナ)、ホリ(ハリ、ヴィシュヌ神の異名)。

女の神々:ドゥルガ(ドゥルガー)、カリ(カーリー)、ラダ(ラーダー)、ロッキ(ラクシュミー、吉祥天、ヴィシュヌ神の妻)。

より土俗的な神々として、蛇の女神モノシャ(マナサー)、幸福・安寧をもたらす女神モンゴルチョンディ(マンガルチャンディー)、子供の守り神ショシュティ(シャシュティー)。

 

なお、今回のこの翻訳は、かつて同人誌『コッラニ』第3号(19783月発行)に掲載したものに、手を加えました。私のタラションコル翻訳の最初の作品で、感慨深いものがあります。




 

ベデの女(ベデニ)

タラションコル・ボンドパッダエ

 

奇術師ションブは毎年この縁日にやって来る。彼が占める場所は、コンカリ母神の土地台帳に永代所有地として記されているとでも言うかのように、いつも決まっている。人びとは「奇術」と呼ぶ。だがションブは「大奇術 ― チャルカチュ」と呼ぶ。小さな天幕の入り口のすぐ頭上、布でしつらえた看板にもこう書いてある:「大奇術 ― サーカス」。この字の片側には一匹の虎の絵、反対側には人間が一人、その片手には血まみれの剣、もう一方の手には首がひとつ。入場料はたったの2パイサ。中ではしかし「のぞきからくり」の興行がある。ションブは中に絵を吊るし布の幕に厚いレンズを貼りつけておく、村人たちはと言えば、そのレンズの向こうの「エゲレス人の(いくさ)」「デリーの皇帝」「カーブルの山」「タージ妃の墓」等々を、目を丸くして見つめるのだ。その後ションブは鉄の輪を使った芸をやり、どん尻に幕を押しやって檻に入った一匹の豹を見せる。豹を外に連れ出しその上にションブの妻ラディカ・ベデニが乗りまたがる、豹の前肢を二本とも引き寄せて肩の上に載せ、顔を付き合わせて佇み、キスをして見せる、しまいには口の中に自分の大きな髷を突っ込んで、まるで頭まで豹の口の中に突き入れたかに見せかけるのだ。素朴な村人たちは肝を潰し、息を詰め、我知らぬうちに手を拍き出す。これでやっと見世物は終わり、見物人は一団となって外に出る。最後に見物人と一緒にションブも外に出てきて、また天幕の入り口で大太鼓を叩くのだ — ドゥムドゥム、ドゥム。大太鼓と一緒に妻のラディカ・ベデニは一対のばかでかいシンバルを打ち鳴らす — ジャンジャンジャン。

合間合間にションブは叫ぶ、大きな虎! ほら、大きな虎だぞ!

ベデニが聞く、虎が何するの?

天馬になるぞ、人間(ひと)とキスするぞ、生きた人間(ひと)の頭をまるごと、口に入れても喰わずにいるぞ!

口上が終わるや彼は中に入り豹を先の尖った突き棒で突く、それにつれて豹は何度も咆哮を繰り返す。天幕の入り口前に集まった群衆は、怖れと好奇に震えながら天幕の方へと進むのだ。

入り口の脇に立って、ベデニは2パイサずつ銭を取っては中へと入れてやる。

この他にもベデニには自分の芸がある。彼女は山羊を一頭、猿を二匹、それに蛇を数匹飼っている。朝早くから自分の肩掛け袋や竹籠を持って村に出かける。戸口から戸口へと巡り廻って芸を見せ、唄を唄い、手に入れた稼ぎを持ち帰る。

 

今回コンカリ母神の縁日にやって来て、ションブは猛烈に腹を立てた。どこから来たのか、別の奇術の天幕がいすわっていたのだ。彼のために決まった場所はむろん空いたままだが、この奇術の天幕はずっと大きく、工夫もずいぶん斬新である。外には馬が二頭、牛車の上にはばかでかい檻がひとつ、中には豹がいるに違いない。

三台の牛車から荷物を下ろしながら、ションブは新参の天幕に向かって憎悪に燃えた突き刺すような眼差しを投げ、続けて怨念をこめた低い声で呟く、糞ったれが!

彼の顔は凄まじくなった。ションブの全貌には、冷酷で兇暴な刻印が押されているかのようだ。獣じみた残酷さを表すある種強烈な赤銅色があるが、ションブの身体はまさにその赤銅色である。長身で、その体は隅々まで無残なまでの苛烈さに覆われている。顔は額の真下の鼻の部分にひどい窪みがあり、両目は蛇のように丸く小さい、そのうえ出っ歯で、前歯二本が、何とも獰猛にひん曲がった姿を絶え間なく外にのぞかせている。憎悪と怒りにその彼はいよいよもの凄く見えた。

ラディカも憎悪と怒りに駆られ、切り口の鋭いナイフが光に触れて煌めくようにぎらぎらと輝き出した。いまに見てろ、牙をむいたゴクラ蛇 [頭に牛の蹄の模様をもつ猛毒蛇] を、檻の中に投げ込んでやるから!

ラディカの興奮が乗り移ってションブもますますいきり立った。彼は怒りに任せて大股で新しい天幕に歩み寄ると、幕の中に身を乗り入れて言った、どの野郎だ、ここの主はどいつだ?

何の用だ? — 天幕の中にしつらえた部屋の幕を押し分けて出て来たのは、若々しい男、六尺にあまる背丈、身体のどの部分も力漲り引き緊っていたが、なお見る者の目を和ませる細身の軽々とした体型。駿馬がある種の好ましい優雅さに輝いている — 男の軽々とした、しかし力漲り緊った身体には、まさしくそんな風な優雅さが溢れていた。色はむろん黒く、鼻は長く反りあがり、目には特に際立ったところなく、薄い両唇の上には刷毛で刷いたような一対の髭 — その先をぴんと細く捻っている。長髪をオールバックに調(ととの)え、首には細引きで黄金の小さな四角いお守りが吊り下がる。その男が近づいて来てションブの真ん前に佇んだ。二人とも互いを見つめていた。

何の用だ? — 新来の奇術師は再び尋ねた。その言葉とともに漏れ出た酒の臭いが、ションブの鼻の下までぷんぷんと漂ってきた。

ションブはいきなり右手で彼の左手を押さえつけると、ここはおれの縄張りだぜ。今日で五年も、おれはここでやって来たんだからな。

若者も素早く自分の右手でションブの左手を押さえると酔った笑いを笑い、まあ後にしろや。まずは一杯やらねえか?

ションブの背後から、水の入った陶器の列を撥でいっせいに叩いたかのような澄んだ音が響きわたった。いつ来たのかラディカがションブの後ろに立っていたのだ。彼女は高らかな笑い声をあげて言った、何本あるの、色男 — おごってくれるの?

若者はションブの顔からその背後に目を移してラディカを認めると、驚きと魅惑に圧倒され言葉を失い呆然となった。黒い雌蛇のようにほっそりした長身のベデニの四肢には、まるで人を魅し酔わせる力が塗り込めてあるかのようだ。黒く濃密な縮れ髪、真ん中を貫く白糸のような髪の分け目、仄かに曲がった鼻梁、目尻を引いた半開きの両の眼の人を陶然とさせるまなざし、鋭い顎先 — 全身これ魅惑だった。まるでつい今しがた酒の海で沐浴してきたとでも言うかのように、その魅惑は彼女の四肢を伝わり滴り落ちている。モフアの花の薫りが人の息を陶酔で満たすのと同様、ベデニの黒い容姿も人の目をある種の陶酔に満たして離さない。ラディカだけでなく、ベデとして生まれた女たちが生まれながらにして持つ、これは容姿の特徴のひとつである。この特徴はラディカの外貌の中にある種の象徴を形成しているかに見えた。だが魅惑に満ちたこの陶酔の中には剃刀のような鋭さがあって、魅惑に呑まれた男さえもはっと立ち止まらざるを得ない。陶酔のうちにも恐怖の意識をかき立てる、それが胸を覆おうものなら心臓までちりぢりになってしまいそうである。

ラディカの高笑いは止まず、新来の奇術師が驚きに呑まれ黙り込んだ様子を看て取るとまた口を開く、減らず口はどこに行ったの、色男?

新来の奇術師は気を取り直し、笑いながら、こう見えてもベデの生まれだぜ。ベデの住処に酒のねえことがあるかよ! 入んな。

その言葉通り、このベデという奇妙な連中は酒を店で買うようなことはしない。隠れて酒を蒸留し、そのため臭い飯を喰うこともあるが、だからと言って生まれながらの習慣をいっこう改める風もない。取り締まる側も、もう彼らのこの犯罪をまったくありふれたことと見做し、微罪扱いにしてしまっている。

ションブは機嫌を直し、大きく胸を張った。同族が彼を招いたのである。さもなければ … 彼はラディカの方を振り向ききつい視線を投げて言う、おめえ、なんでついて来たんだ?

ラディカはこれにも高笑いで答える、何よ、あんた。あたしは飲めないとでも言うの?

 

天幕の中の小部屋で酒盛りが始まった。そこら中にいくつもの鶏骨のかけら、ひとかたまりのムリ [米を炒ってポップコーン状にしたもの] が散らばっていた。一枚の葉皿にはいくらか肉が残っており、もう一枚にはムリ、タマネギ、トウガラシが少しずつと、僅かな塩。二本の空壜が転がり、飲みかけの壜も一本ある。乱れた服装のベデの娘が一人、すぐ傍に酔い潰れて横たわっている。髪の毛は塵でざらざら、両手を頭上に持ちあげた姿勢で地べたに投げ出され、顔にはまだ酒の泡が水泡のようにくっついたままだ。ふっくらした、従順でおとなしそうな容貌の娘である。

ラディカはその娘を見ると再び高らかに笑った。あんたの情婦(いろ)? ぶった切ったバナナの幹みたいに、転げてるじゃないの!

新来の奇術師は笑った、そして覚束ない足取りで少し前に進むと、一箇所柔らかくなっている地面の土を押し分け壜を二本取り出し、運んできた。

酒を飲みながら言いたい放題しゃべっていたのは新来の奇術師とラディカである。ションブは酔いに浸りながらもむっつり黙り込んでいた。

一杯目を飲むとすぐにラディカが口を開いた、あんた、何て言うの?

新来の奇術師は青トウガラシを少し歯で嚙み切りながら答えた、聞いたら、おめえ、おれを罵るだろうよ。

何でよ?

キシュト [「クリシュナ」の方言口語形] って名前だからな。

それで、何で罵るの、あたしが?

おめえの名前がラディカ [「ラーダー」の尊称] だからよ。

ラディカは例の高笑いを笑い転げ回ったが、次の瞬間サリーの中から素早く何かを取り出すと新来の奇術師の身体めがけて投げつけた、そら、カーリヤ [クリシュナ神に征伐された毒蛇の王] を退治してごらん、キシュト! そら!

ションブはあわてふためいた。だがキシュト・ベデは素早く一撃を浴びせ、それを地べたに叩きつけた。黒いケウテ蛇 [コブラの一種] の子供であった。叩きつけられた仔蛇はしゅっしゅっ音を立てて鎌首をもたげ、嚙みつこうと身構えた。ションブは叫び声をあげた、抜いてねえぞ! つまり毒牙をまだ抜いていないのだ。キシュトはだがその時すでに左手で蛇の頭を押さえつけ、笑い始めていた。笑いながら彼は右手で腰布に挟んだ小さな短刀を一振り取り出し、歯で鞘を払った、そして蛇の毒牙と毒嚢を二つながら切り捨て、ラディカの身体目がけて投げ返した。ラディカも左手で蛇をつかみ取った。だが怒りに彼女は、まさに一瞬前のその蛇のように燃えあがり、あたしの蛇を、何で抜いたりしたのよ?

おめえが言ったじゃねえか、退治しろって! — こう言うと、今度は彼のほうがはあはあ高笑いを始めた。

ラディカはつと立ちあがると天幕の外へ出て行った。

 

日没の直前。

新来の天幕では今日から興行が始まる、そちらは華々しい騒ぎである。外に演壇をしつらえその上で楽隊がどんちゃかやり始めたし、圧力式の灯油ランプもひとつ点されようとしている。ラディカは自分たちのちっぽけな天幕の外に出て佇んだ。彼らの見世物の仕掛けはまだ出来上がっていない。彼女の両眼は、憎悪に燃えるかのようだ。

ションブはすぐ近くの樹の下でナマーズ [イスラーム式の礼拝] をしている。さらに少し離れた樹の傍でナマーズをしているのはキシュトである。ベデは奇妙な出自集団(ジャーティ)だ。出自は何かと聞かれるとベデと答える。だが彼らはイスラーム教を信仰している。日々の慣習は完全にヒンドゥーで、蛇の女神モノシャの祭祀(プージャー)はするし、安寧をもたらす女神モンゴルチョンディや子供の守り神ショシュティの願掛け(ブロト)儀礼はする、カーリー女神、ドゥルガー女神を地にひれ伏して拝む。ションブ、シブ、クリシュノ、ホリ、あるいはカリ、ドゥルガ、ラダ、ロッキと言ったヒンドゥーの神々の名前をつける。ヒンドゥー教のプラーナ神話なら彼らはいつでも暗誦できる。ちょうどこれと同様のもう一つの出自集団(ジャーティ)がある。彼らは絵巻物(ポト)を見せながらプラーナ神話に基づく物語を朗唱する。自分たちを絵巻物師(ポトゥア)と呼び、自ら絵巻物を描く。婚姻、進物のやり取り、どれひとつとってもイスラーム教徒共同体とは係わりなく、自分たちのこの特殊集団の中だけで行う。結婚の儀式はイスラーム教の聖職者(ムッラー)の下、イスラーム式で行われ、死ねば焼かずに埋める。ベデの口すぎは、奇術を見せる、蛇を捕らえる、蛇を踊らせ唄を唄う、猿や山羊を使って芸を見せる、中でも殊に大胆な者は、このように天幕を張り豹を使って芸を見せるのである。だがこの新来の天幕のように華々しく飾り立てて芸を見せる者は、彼らの共同体の中にかつてなかった。

ラディカの目には涙が溢れてきた。彼女の心の目には、彼らの若々しい力溢れる豹の姿だけが映っていた。ついさっき彼女はこっそり隠れてその豹を木枠の間から覗き見てきたのだ。力強い、がっしりした、いかにも敏捷そうな体躯、輝くばかりに滑らかな体毛、顔には獰猛な笑いのような表情がそのまま貼り付いているかのようだ! それに引き換え彼らの豹は、老いぼれて身動きもままならず、身体はたるみ、体毛はざらざら、そのいまにも抜け落ちそうな毛を見ただけでラディカは全身むかついてくる。何度ションブに向かって新しい豹を買うよう説いたことか、だがションブのこの豹に対する愛着は度を越していて、どうあっても耳を傾けようとしないのだ。

ナマーズを終えてションブが戻って来ると、彼女は侮蔑と嫌悪をこめて言った、あんたのあの老いぼれ豹なんか、誰も見に来ないわよ。

ションブは声を荒げて叫ぶ、おめえにわかってたまるか!

ラディカは鼻先で笑うと、どうせあたしにはわからないわよ! あんたは何もかもご存知、ってわけね!

ションブは黙り込んだ、だがラディカは止めようとせず、数瞬黙った後に言葉を継いだ、この死に損ない! 老いぼれの踊りなんか見て、誰が喜ぶって言うの? なのに、おめえにわかってたまるか、ですって!

ションブはたちまち怒り狂った、猛々しい二列の歯をあの豹と同じ形にいっぱいに剥き出し、おめえ、若僧がずいぶんと気に入ったみてえだな!

ラディカは雌蛇のようなうなり声をあげた、何ですって、この、薄情者?

ションブはそれ以上何も言わなかった、突き棒を恐れる豹のような格好でその場からすごすごと立ち去った。

怒りと口惜しさでラディカの目から涙が溢れてきた。あの薄情者、あたしに向かって、よくもまああんな大口を叩けたものだ! 何もかも忘れちまったのか、あいつ? 自分の歳すら頭にないのか? 四十になった男なんて、老いぼれ以外の何ものでもないくせに! このラディカと比べたら、あんたなんか、老いぼれと呼ぶほかないでしょ! ラディカはやっと22歳になったばかりだ。その彼女が、相手に困ってションブのような男に嫁いだ、とでも言いたいのか? ラディカはそそくさと自分たちの天幕へと姿を消した。

そうだった。今から5年前のことだ。その時ラディカはまだ17だった。そのまた3年前、シボポド・ベデと彼女は夫婦になった。シボポドはラディカより3, 4歳年上だった。今でも彼のことを思うとラディカは辛くなる。おとなしい男で、優形の美しい顔、大きな二つの目、その眼差しは人を惹きつけずにはおかなかった! 蛇、猿、山羊などといったものに彼の心はなかった。籐細工を生業としていた — 編み籠を編み、腰掛け駕籠の覆いを作り、趣味のいい花籠をこしらえた。この仕事のおかげで彼の実入りは村の誰よりもよかった。彼らは仲良く夫婦揃って出かけたものだ。彼は自分の作った籐細工を肩に担い、ラディカは彼女の蛇を入れた籠、猿、山羊を伴って。シボポドにはもう一つ肌身離さず持ち歩いている道具があった、腰に竹笛が差してあったのだ。ラディカが蛇を踊らせながら唄を唄う時、シボポドは彼女の声に合わせて笛を吹いたものだ。

この他にも、シボポドにはさらにひとつ、はかり知れぬほど大きな美徳があった。彼らの社会的な集まり、長老たちの集いにさえ、彼にはよく声がかかった。ほんとうに穏やかな性格の持ち主で、読み書きも自分で苦労して少しばかり身につけたことがある、こうしたわけで彼の助言には経験ある年寄りたちさえ耳を傾けた。村の中で、彼はどんなに尊重されていたことだろう! しかもそのシボポドが、ラディカのまるで奴隷のようであったのだ。金銭はすべてラディカの手にあった。機で織った黒色の地に白糸で四角い模様をびっしり縫い付けたサリーを、ラディカは好んで身につけた、シボポドは年がら年中、それだけを彼女に着させていた。

そんな時に、10年も行方知らずだったこのションブがどこからかやって来たのだ、この豹と、一枚の破れた天幕と、年増のベデニを従えて。豹と天幕を見て皆が肝を潰した。初めてションブに会った日のことを、ラディカは今なお覚えている! この強烈な赤銅色をした、厚かましい目つきの、苛烈で力強い身体を持つ男を見て、彼女は仰天してしまったのだ。

ションブは驚嘆した眼差しで彼女に見入っていた。最初に声をかけたのは彼の方だった、やいベデニ、おめえの蛇がどんなか、見せろや?

ラディカは、どうしたことか思わずくすりと笑いを漏らすと、あら色男、そんなに見たいの? 金を出すんだろうね?

次のションブの台詞を彼女ははっきり覚えている — いいや金は出さねえ。おめえが蛇見せたら、おれは豹を見せてやる。

豹! ラディカは驚きのあまり呆然となった。何という男だ! とてつもない風体、とてつもない台詞。豹を見せるだって! 彼女は彼の顔に射すような視線を投げて言った、ほんとうなの?

そんなに疑うなら、まずおれの豹を見るんだな! 彼は彼女を天幕の中に連れ込むと、ほんとうに豹を見せたのだ。ラディカは驚きから醒めやらず彼に問いただした、この豹で何をするの、あんた?

取っ組み合いをしたり、芸を見せたり、だ。

へえ?

そうだとも。見てえのか、おめえ?言うと同時に彼は檻を開けて豹を連れ出し、その二本の前肢を両手で摑むと顔と顔を突き合わせて佇ちつくした。忘れもしない、その時ラディカは驚愕のあまり、口をきくことさえできなってしまったのだ。ションブは豹を檻の中に戻すとラディカの前に立ち塞がった、今度はおめえがおれに蛇を見せる番だ!

ラディカはそれに答えず尋ねた、あれ、あんたに馴れてるの?

ひいひい笑うとションブは力ずくで彼女を抱きしめて言った、そうよ、牝豹を馴らすのはお手のものよ。

いったいどうしたことか、ラディカはまったく、逆らおうとすらしなかったのだ。何日かして彼女は、シボポドがそれまでに貯めた財産を洗いざらい持ってションブの天幕に駆け込んだ。シボポドは涙に暮れた、だがラディカはいっこう気をそそられる風もない。恥ずかしがるどころか、彼女の胸は身震いするほどの嫌悪と疎ましさでいっぱいだった。ラディカの両親はじめ村人たちは、皆彼女に後ろ指を指したが、彼女は気に留める素振りすら見せなかった。

そのラディカが持ち出した金で、ションブのこの天幕と出し物のためのさまざまな小道具を買ったのだが、その金もいまや尽きようとしていた、近頃では苦しい生活が続くばかりである。ションブは稼ぎをすべて酒につぎ込む、だがラディカはそれを一日とて嘆いたことはない。それなのにあの薄情者、よくもあんなことが言えたものだ! 彼女はひとり酒壜を取り出した。

 

向こうの新しい天幕ではまた楽隊がどんちゃかやっている! もうすぐ二度目の幕開けである。酒を飲んでラディカは荒れてきた、楽隊の音が耳に入ると彼女の胸は身震いするほどの嫌悪に襲われる。あいつらの天幕に、夜中、火をつけてやったらどうだろう?

突然、彼らの天幕の外にションブの甲高い怒声を耳にすると、彼女はいやが上にも興奮して外に飛び出した。見るとションブの前にキシュトが立ち塞がっている。きんきらの衣装をまとって目を真っ赤にしたその彼が言っていた、何だよ、だから何が悪いんだよ? おめえらはまだやっちゃいねえ、おれたちのは今やっている。見に来るよう()んだからって、何が悪いんだ?

ションブは喚き立てる、芸をお見せになるってわけか、大芸人! 馬鹿にしに来やがったのか、おめえ?

キシュトは何を言おうとしていたのか、だがその前に興奮したラディカは煉瓦をひとつつかみ取り、力任せに彼目がけて投げつけた。狙いは過たず、だがキシュトは見事な手際を見せた、彼はまるで球のようにそれを受け止めると、手玉にしてもてあそびながら去って行ったのだ。ラディカは仰天してほんの数瞬呆然としていたが、我に返るとさらにいきり立ち再び煉瓦をひとつ拾いあげた。だがションブは彼女を押しとどめた。彼はいたわるように彼女の手を取り天幕の中へと連れ込んだ。ラディカは激しい衝動に駆られてションブの首に縋りつくと咽ぶように泣き始めた。

ションブは言った、この縁日が済んだら、すぐに豹を買って来ような。

あちらの天幕からはキシュトの声が流れてくる、外の幕を外せ、おい、さっさと外すんだ!

天幕の破れ目から、ラディカには彼らが天幕の外の幕を外そうとしているのが見えた、つまり中に行かなくても否応なしに目に入るようにしているのだ。彼女は怒りに駆られてうなり声をあげた、幕に火をつけてやるから!

ションブはむっつり思いに沈んでいた。キシュトは走る馬の背に立って曲芸を見せている。ラディカは深々とため息をつくと、新しい芸を何か考えなさいよ、あんた、でないと評判が落ちるわ、あたしたちの見世物なんか誰も見に来なくなるわよ。

ションブは歯ぎしりして言う、明日警察(さつ)に手を回してやる。酒のことをたれ込んでやる。

あちらでは、鸚鵡を標的に大砲がドカンと鳴る、例の娘が綱の上で傘をかざして踊る、豹を相手にキシュトが取っ組み合いを始める — うわっ! 前肢で襲いかかった、豹のやつ!

ラディカは自分たちの見世物の惨めさを思い、堰を切ったように涙を流した。と同時に復讐の念がこみあげてきてその身体を波打たせた。天幕に火がつけばぼうぼう燃えあがるだろう。灯油をぶっかけて火をつけてやったらどうだろう!

 

次の日の朝、ラディカは少し寝過ごしてしまった。起きて見るとションブの姿がない。たぶん日雇いを二三人もとめて村まで行ったのだろう。外に出て彼女は震えあがった。キシュトの天幕の四方をおまわりが取り囲んでいたのだ。入り口に警部補がひとり座っている。何が起きたのか? 彼女はすぐさま警部補に歩み寄り(サラーム)をしてその前に佇ちつくした。警部補は彼女を頭から爪の先までじろじろ見わたすと言った、みんなを呼ぶんだ、中を調べるからな。

再び礼をするとベデニは言った、何をしたってんですかい、旦那?

酒があるかどうか調べるんだよ。男どもを呼びな。ここから呼ぶんだ。

ラディカは合点した、警部補は彼女をこの天幕の女だと思い込んだのだ、だが彼女はその誤りを正そうとしなかった。

中にあたしの赤ん坊がいるんですよ、旦那 …

よし、子供を連れて来てもいい。ついでに男どもも呼んで来い。

ラディカは素早く天幕の中に入り、例の柔らかくなった地面の土をかきわけて見た。三本の酒壜がまだ貯えてあった。彼女は布きれを一枚引き寄せるとそれを折りたたみ酒壜三本を中に突っ込んだ。それを巧みに胸に抱え込んだ — まるで寒さから守るため布にくるみ込んだ年端のいかぬ赤ん坊としか見えなかった。天幕の奥でキシュトは眠り呆けていた、それを足で蹴飛ばして叩き起こすとラディカは言った、警察(さつ)が来てるわよ、入り口で待ち構えてるわ。早くなさい!

彼女は動ぜぬしっかりした足取りで、胸の赤ん坊に乳を呑ませている母親といった風情で外に出た。そのすぐ後からキシュトが現れて警部補の面前に立った。

警部補が尋ねる、この天幕はおまえのか?

礼をしてキシュトが答える、へえ、旦那。

天幕の中を調べるからな、酒があるかどうか。

その時にはもう、ベデニは赤子を抱いたまま、縁日の群衆の中に水泡が混じるように姿をくらましていた。

 

ションブは黙りこくってすわっていた、ラディカはうつ伏せになって倒れ身体をひくひくさせながら泣いていた。ションブは彼女を容赦なく殴りつけたのだ。ションブが戻ってくると、彼女はさも可笑しげに笑いながら警察(さつ)を煙に巻いた経緯を話し、彼の身体にもたれかかって言った、警部補に手品を見せてやったのよ!

ションブは厳しい怨嗟に満ちた視線でラディカを見つめていたが、ラディカはそちらには目も向けず笑いながら言った、飲む? あんた、赤ん坊を飲む?

ションブはいきなり髪の束をひっつかむと彼女を遠慮会釈なく殴りつけた、何もかもぶちこわしにしやがって! やつを豚箱にぶち込んでやろうとせっかく警察にたれ込んだのに、こんな真似しやがって!

ラディカは、初めはひどくいきり立ったが、ションブの言葉を聞き終わるとすぐその胸に昨夜の会話が蘇った。ションブはまさしくこのことを言っていたではないか! 彼女はもはや逆らおうとはしなかった、黙ってションブの虐待をすべて受け入れ、うつ伏せになり身体をひくつかせて泣き続けた。

 

今日の午後からこの天幕でも興行が始まる。

ションブは自分の着古した衣装を取り出して身につけた、黒色の細い筒のようなズボンに、同じ黒色の短袖の上衣である。ラディカは古びたキラキラの襞入り長スカートに、くたびれ切った花模様の胴着を着ている。以前彼女はよく髪の毛を編んで垂らして見せたものだ。だが今日彼女は髪を編もうとすらせず、自分たちのあらゆる種類の貧しさ、惨めさに対する侮蔑と反発に心乱れ、恥に死ぬ思いをしていた。やつらの天幕ではキシュトのあの牝猫のように脹れた頬の、身動き取れないばばあのようにブクブク太った女が、アンダーシャツのようにぴったりした下衣と上衣、その上に金銀のピラピラがついた緑の繻子のブルマ、ブラジャーのような胴着を着ている。醜いくせに、綺麗に着飾っていやがる。あいつらの大太鼓からは、青銅や黄銅の器を叩いた時のような、澄んだ余韻が最後に響いてくる。それに比べ、こいつときたら、何年前の代物だというのだ、ボコボコ音を立てやがって、この …

だがそれでも彼女は気を取り直し、力いっぱいシンバルを叩く。

ションブは太鼓を叩くのを止めると叫ぶ、ほーら、大きなとーらーだぞ!

ラディカは咳払いして何とかのどを調え(ととのえ)、大きな虎が、何するの?

ションブは力み込んで、天馬になるぞ、人間(ひと)と闘うぞ、生きた人間(ひと)の頭を、口に入れても嚙まずにいるぞ!

続いて彼は跳び下り天幕の中に入ると豹を突き棒で突いた、くたびれたよぼよぼの野獣は苦し紛れのうめき声のような咆哮をあげた。

と同時に向こうの天幕の中から力強い獣の若く荒々しい猛り狂った咆哮が響きわたった。ラディカは演壇の上に立っていたが、その身体はじんじん痺れるようになった。狂おしい灼き殺さんばかりの眼差しを向こうの天幕前の演壇に注ぐと、キシュトが笑っている。ラディカと目が合うや彼は叫んだ、もういっちょ、やれ!

天幕の中から二度目の突き棒を喰らった彼らの豹が今度は一層力強い雄叫びをあげた。ラディカの目には火が燃え熾っている。

 

ションブの天幕には、安あがりに楽しもうと、ほんの数えるほどの客が入っただけだった。見世物が終わり、ションブは兇暴な顔をもの凄くしてすわっていた。ラディカはそそくさと縁日の市へ出かけた。時経たずして何やら缶をひとつひっさげて戻って来た。

ションブは不機嫌顔のままにそれを見ると、驚いて尋ねた、何だ、それは?

灯油(あぶら)よ。火をつけてやるのよ、あいつらの天幕に。一缶には2キロ足りなかったけど。

ションブの目は兇暴な輝きに燃え立った。酒を持って来な!

ぼうぼう燃えるわよ! 飲みながらこう言うとラディカは高らかに笑った。闇の中を外に出て立ちつくすと、向こうの天幕ではまだ見世物をやっている。天幕の破れ目からは、キシュトが縄からぶら下がった木の棒を使って身体を回転させているのが見える。あっ! 棒から手を離して別の棒に移り、また身体を回転させる! 見物人は喝采を送っている。

ションブは彼女を抱き寄せて言う、今じゃねえ、しーんと、寝静まってからよ!

彼らはまた酒壜に手をつけた。

 

縁日の店々はすっかり静まり返った。すべては闇に覆われている。ベデニはそっと起きあがった。一瞬(ひととき)とて眠ることができなかったのだ。胸の中に沸き起こるある種の煩悶、ある抑えがたい疼痛が彼女をひっきりなしに苦しめていた。彼女は外に出て佇んだ。深い闇が何かを待ち受けるかのようにのしかかる。しんとして音ひとつない。彼女は少しこちら側からあちら側まで歩き回り様子を窺った、誰一人起きている気配はなかった。彼女は戻って天幕の中に入り、しゅっとマッチの火を点した、あの灯油の入った缶が見えた。そしてションブを起こそうとして見ると、彼は寒さにかじかんだ犬のように身体を丸めて眠り呆けている。彼に対する憤怒と侮蔑が胸を満たし、ラディカはどうにもいたたまれなくなった。馬鹿にされたことも忘れて、眠りこけているってわけね! 彼女はもはやションブを起こそうとせず、マッチを髷の中に差し挟み、灯油缶を手にひとり外に出た。

あの、後ろのほうからやらなくては。あっち側が全部燃えて、やっとこっち側の縁日の連中の目に火が燃えているのが映る。残忍で兇暴な雌蛇の姿となり彼女は闇に溶け込みしゅるしゅると前に進んだ。天幕の背後まで来て缶を下ろしはあはあ喘ぎ始めた。

黙ってその場にへたり込みしばらく休んだ。すわったまま内側を一目覗き見るため外側の幕をそっと押しやると、胸を低くして頭をねじ込んだ。天幕の中は真っ暗だ! 蛇のように胸で這いながらベデニは中に入った。髷に挟んだマッチを取り出すとその一本にしゅっと火を点した。

彼女のすぐ傍に、そら、キシュトが、阿修羅のように横たわり眠り呆けている。ラディカの手のマッチ棒は燃えたままだ。キシュトの堅固で美しい顔に溢れる、怖いもの知らずの豪胆さ! ああ、何て広い胸板だろう、そしてはち切れそうな腕の筋肉! そのまわり、あちらこちらに馬の蹄の跡が見える — 走る馬の背の上で、彼は踊ってみせるのだ! そら、肩には、ついさっきついたばかりの生傷が — あの手がつけられないほど狂暴な、豹の爪痕だ! マッチの火は消えた。

ラディカの胸の裡を嵐が襲った、ちょうどションブに初めて会った日のように。いや今日の狂瀾はさらに激しい。のぼせあがったラディカは、次の瞬間、夢にも起こりえないことをやってのけた、彼女は気違いじみた衝動に駆られてキシュトの力強い胸の上に跳びかかったのだ。

キシュトは目を覚ました、だが動じた様子はなかった、ほっそりした女の身体をぎゅっと抱きすくめると言った、誰だ? ラディ …

その口を手で塞ぎラディカは言う、そうよ、しっ。

キシュトは彼女の口に矢継ぎ早に接吻を浴びせると、待ちな、酒を持ってくるから。

だめ。さあ、起きて! 今すぐここから逃げるの。早く! ラディカは闇の中で喘いでいた。

どこへ?

ずーっと遠く、他の土地へ。

他の土地? 天幕なんかは …

置いて行くのよ。あのションブにやれば? あんた、あいつのラディカを取るのに、その代金(しろ)を、払わない気?

彼女は低声で例の笑いを笑った。

のぼせあがったベデ — その上若い盛りの向こう見ずである — キシュトはためらわなかった、行こう。

行きかけてラディカは立ち止まる、待って!

彼女は缶の灯油をションブの天幕の上にぶちまけ、残りを地表の草の上に撒き散らしながら歩を進め、行くのよ、さあ。

缶が空になるとマッチをすり、灯油に濡れた草に火をつけた。そして高笑いを振り撒きながら — 焼け死んじまえ老いぼれ!



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プロフィール

bengaliterature

Author:bengaliterature
大西正幸(おおにし・まさゆき)

東京大学文学部英語英米文学科卒。1976~1980年インドに留学。ベンガル文学・音楽などを学ぶ。オーストラリア国立大学文学部言語学科にて、ブーゲンビル(パプアニューギニア)の少数言語モトゥナ語の記述研究でPh.D.取得。名桜大学(沖縄)教授、マックスプランク研究所(ライプツィヒ)客員研究員、総合地球環境学研究所客員教授などを経て、現在は同志社大学文化遺産情報科学調査研究センター嘱託研究員。専門はベンガル文学・口承文化、記録・記述言語学、言語類型論。

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